2000年度インパクに参加しました
自然との共生


プロローグ  みつばちが暮らしやすい自然環境とは
【1】  “花の種類”と“はちみつの味”
【2】  蜂の種類
【3】  越夏と越冬
【4】  敵との戦い
【5】  花粉交配
【6】  自然のつりあい
エピローグ  これから私たちに求められること


 【3】 越夏と越冬


 私たちが暮らす日本は、季節の変化がはっきりとしており、夏は暑く冬は寒いものの、一年を通じて過ごしやすい温帯気候に属しています。 この温帯気候に属する国々には近代化された都市が多く存在し、人々も多く住み、とても便利な暮らしをしています。 しかし、自然が多く失われているのも現実で、便利な暮らしは地球環境問題の要因にもなっています。

 世界の気候はその地域によりさまざまです。 赤道直下の地域は熱帯気候でとても暑く、赤道からいちばん離れている北極や南極に近い地域は寒帯気候で、一年中氷で覆われている地域もあります。 しかし、どのような気候であっても、地球上のほとんどいたるところに生き物が生息し、動物も植物も昆虫も、その気候に適応した暮らしをしています。 あるものはその気候に適応するように体のつくりが変化し、また、あるものは知恵を働かせて快適に生活できる環境をつくり出しています。
 そして、ミツバチもまた、自分たちの力で暑い夏と寒い冬をしのぐ工夫をしています。

ミツバチの越夏 | ミツバチの越冬


ミツバチの越夏

 ミツバチには育児適温があり、34〜35度がその適温といわれています。 暑い夏になると、巣内の温度も高くなり、適温以上暑くなると、ミツバチは巣内の温度を下げようとします。 まずは巣内があまり込み合わないように巣の外に出ます。 そして、巣の入り口で羽を激しく動かし、巣内の暑い空気を外に出します。 それでも温度が下がらないときは、花蜜の代わりに水を集めてきて巣の中に運び、扇風運動を行って気化熱で温度を下げます。
 また、暑い日の夕方などには、巣の外にたくさんのミツバチが出てきて「夕涼み」をしている姿が見られます。
越夏の様子 越夏の様子

※養蜂においては、巣箱を木陰などの涼しい場所に移動させます。
木陰の巣箱


ミツバチの越冬"

 ミツバチは、他の昆虫にみられるように仮死状態で冬越しすることはありません。 春から秋にかけて蓄えておいた花粉や蜜を食べて、巣の中心部にかたまって互いに暖め合って過ごします。 (この様子を「蜂球」といいます。) そのため、寒い冬の間でも、巣の中心温度は30〜35度に保たれています。


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