2000年度インパクに参加しました
自然との共生


プロローグ  みつばちが暮らしやすい自然環境とは
【1】  “花の種類”と“はちみつの味”
【2】  蜂の種類
【3】  越夏と越冬
【4】  敵との戦い
【5】  花粉交配
【6】  自然のつりあい
エピローグ  これから私たちに求められること


 【4】 敵との戦い


 地球上に住むほとんどすべての生物は、食うものと食われるものとの一連の関係である食物連鎖から成り立っており、人間もそのなかで生きています。 しかし、体が大きいものが必ずしも強いとは限りません。 生物のなかには、敵から身を守るための道具を備えているものも存在し、また、そうでないものにも何らかの手段で自己防衛能力を持っています。
 身を守る手段としては、木の枝に擬似するナナフシや、危険を感じると丸くなって動かなくなってしまうダンゴムシなど、体全体でカモフラージュする昆虫をはじめ、ハチが持つ毒針のように、敵と戦うための武器を持つものもいます。

 ミツバチにとって夏の終わりから秋にかけては、同じハチの仲間であるスズメバチが攻撃してくるいちばん危険な時期です。 肉食のスズメバチも自分たちの子孫のために餌集めに忙しい時期でもあるのです。 ミツバチは、自分たちの体の2倍以上もあるスズメバチに対し、集団で立ち向かいます。 (スズメバチ:「蜂の種類」参照)

蜂球(ほうきゅう)作戦 | 毒針攻撃

蜂球作戦    スズメバチが巣に近づいてくると、ミツバチは巣の入り口で敵を威嚇するようなザーという警戒音を出したり、仲間を集めて巣の入り口を守ります。 ミツバチは集合して1匹の敵を取りかこみ、自分たちの体で45〜47度の高温を作り出して、敵を蒸し殺してしまいます。 (この状態をミツバチのかたまりでできたボールのような姿になことから「蜂球(ほうきゅう)」とよんでいます。)
    この発熱は、体を小刻みに動かすことで作り出しており、寒い冬に巣内を暖かくするためにも使われています。 (「越夏と越冬」参照)

※威嚇音や蜂球による熱殺の様子は、ミツバチを餌とするスズメバチが生息している日本に住むニホンミツバチには見られますが、そのようなズズメバチが生息しない欧米から輸入されてきたセイヨウミツバチには見られない行動です。

毒針攻撃  ミツバチには敵と戦う武器として毒針があります。 これは産卵管が変化し発達したもので、メス(働き蜂)だけが持っています。 この毒針は逆向きのかぎ状になっているため、一度刺すと抜くことができず、腹の先の筋肉とも引きちぎられてしまい、そのハチは死んでしまいます。 しかし、敵に刺さった毒針からは攻撃信号のフェロモンが出て、これにより仲間が集まり、敵に対して集中攻撃をすることがあります。

※ミツバチの毒針のしくみについてはこちらをご覧ください。


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