2000年度インパクに参加しました
自然との共生


プロローグ  みつばちが暮らしやすい自然環境とは
【1】  “花の種類”と“はちみつの味”
【2】  蜂の種類
【3】  越夏と越冬
【4】  敵との戦い
【5】  花粉交配
【6】  自然のつりあい
エピローグ  これから私たちに求められること


 プロローグ みつばちが暮らしやすい自然環境とは


 21世紀に入った今、人々の暮らしはますます便利になり、それに伴い自然は失われつつあります。 これから生きていくために本当に大切なものは何でしょう?
 みつばちは世界の各地に生息しており、その種類もさまざまで、体型や習性なども異なっているので、身近に住んでいる日本みつばち・西洋みつばちの立場から考えてみたいと思います。

 みつばちが暮らしやすい環境とは? それは極めて簡単明瞭です。 気候の変化があっても、一年を通じて温暖で、みつばちが訪花する花があり、適度な太陽光線が降り注ぎ、豊かな自然のある環境―それは、人工的な薬剤の散布などによる食物連鎖などから程遠い環境ではないでしょうか。

 数千万年前、みつばちは“はちみつ”とたんぱく源として“花粉”を食べることを学習しました。 よって、他の昆虫にみられるような、青虫などの他の虫類に卵を産み付けることも、それを食べることもしません。 みつばちは生きるために植物から花蜜や花粉を採集しますが、植物もまた新しい命のために、香りや蜜を流出してみつばちたちを呼び寄せています。 そして、人間はそのような場所に巣箱を置いて、みつばちが貯めこんだ“はちみつ”などを分けてもらっていることになります。 では、人間はみつばちや植物に何を返しているのでしょう・・・。

 また、どんな生き物にも天敵がいるように、みつばちにもいくつかの天敵が存在します。 特に西洋みつばちは、自己防衛はしてもオオスズメ蜂や病気に対する適応力は弱く、人間が側面から防衛の手助けをしなければなりません。 このようなことは養蜂技術になってきますが、農業において、一年を通じて花や天候などの条件が満たされた状態にあることは言うまでもなく必須条件です。

 自然環境の変化については、かつて文明の最初に開けたとされている場所が砂漠化し、人類が多くのエネルギーを消費し、膨大な資源を消費していくなかで、地球の温暖化現象に関する諸問題として多くの説が述べられているとおりです。
 身近な場所についていえば、植林は杉と桧になり、イノシシやクマ、シカ、タヌキなどが里に出てこなければならなくなっている現実―山も木は生えていても豊かでないということになるのかもしれません。 みつばちからいえば、いろいろな種類の多くの木や草花が山において実をつける、小鳥に食べられてしまうことがあってもそれらが生育し、清水やせせらぎがあって、夏には涼風が吹き、冬には北風から遠く日だまりのある―そんな自然が理想ではないでしょうか。

   「自然との共生〜みつばちから学ぶ自然環境とは〜」は、みつばちとそれを取り巻く自然をとおして、自然環境の大切さを少しでも感じ取っていただきたいと思い企画しました。 みつばち、そして自然と関わる仕事に携わる立場だからこそ、その大切さ、ありがたさを実感しています。 これ以上失いたくない、皆さんもそう思われることを願っています。


2001年7月20日
みつばち牧場オーナー
河合 進


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